筋肉痛が遅れてくるのは歳のせい?

よく、「歳をとったから筋肉痛がくるのが遅くなった」というような話を耳にしますが…

 

 

①筋肉痛は何故起こるのか

運動をした当日、翌日、あるいは翌々日に筋肉に痛みが生じる現象のことを「筋肉痛」といいます。

かつては、筋肉痛の原因は激しい運動をすることで発生する「乳酸」が溜まることで起こると考えられていましたが、最近では乳酸は安静時にも体内でつくられる物質であり、乳酸そのものが筋肉痛の原因ではないといわれています。

現在では、筋肉痛が起こる原因は、運動によって負荷がかかった筋肉中の筋線維や周囲の結合組織など損傷を受け、それが炎症を起こすことなどで痛みが生じていると考えられています。

 

②年をとったら筋肉痛が遅れてくる?

「昔は翌日には筋肉痛になっていたのに、最近、歳をとったせいか筋肉痛が2日後にくるようになった」というような話を聞くケース、するケース多くないですか?

①でも触れたように、筋肉痛が生じるメカニズムは完全には解明されていません。ただ、特に伸張性収縮(注1)をともなう筋肉にかかる負荷が大きい運動ほど、激しい筋肉痛が運動から短時間で発生することがわかっています。その一方で低負荷の運動時には筋肉痛が発生しにくい、あるいは発生が遅くなるとされています。

若いころに比べると年齢が上がるにつれて、すぐに筋肉痛が現れる重いダンベルを使う筋力トレーニングのような負荷が大きい運動をする人は少ない傾向があります。

このことが、「年をとると筋肉痛が遅れてくる」という説につながっているようです。

 

いかがでしょう?心当たりはありませんか?

 

注1:伸張性収縮とは筋が収縮しながら、屈筋群の全長が長くなるような運動様式(筋収縮)のこと。たとえば、ダンベルを持った手をゆっくりと下ろすときの上腕二等筋(いわゆる力こぶのところ)、あるいは立った状態から椅子に座るときの大腿四頭筋群(太ももの前側)の筋収縮がこれにあたる。