職場と健康管理

健康管理は誰がするもの?

 

 
①健康管理をするのは誰か

 私たちの健康は本来、個人的に自由なもので、他社や社会の拘束を受けないものです。個人が受け入れている以上は、どのような健康状態で、どのような体型で、どのような体力状態であってもよいのです。
 一方で、私たちが労働をするといった社会的活動をしている限り、必要最低限の拘束を受けることがあるということは受容する必要があります。例えば、職場における健康管理の一環として、労働者に対する定期的に健康診断の実施が、法律で使用者に義務づけられています。
 
②企業における健康管理

 労働災害や職業病の防止のためには、労働者を取り巻く環境や労働条件を改善していく必要があり、これらは主として企業や使用者の努力に委ねられています。一方で、そこで働く労働者の健康状態をよく管理することも必要となります。ここでの「健康管理」とは、健康状態を見守ることで、労働者の健康を使用者や産業医が一方的に規制するといった意味ではありません。
 昨今「健康経営」という観点からも、労働者に対して法に定められた、あるいはそれ以上に充実した健康管理を実施することは奨励されるべきです。とはいえ、それが一方的なものにならないよう、健康管理がどのような意味を持つものであるのかといった健康教育を十分に行うことが望まれます。
 
 健康・安全についての理解を深めることで、労働者が自律的によりよい健康状態を維持していくという意識を持てるようにすることが大切です。