運動とルーの法則

「ルーの法則」のことを知っていますか?

 

 
①ルーの法則ってなに?

 「ルーの法則」とは、ドイツの発生学者「ヴィルヘルム・ルー(Wilhelm Roux)」(1850-1924)が唱えた生理学における基本法則のことです。ルーの法則によると『生物の体は、内外の環境に適応して個体の機能を変えるという特性をもつ』とされ、一般に、生物が時間をかけて外界に適合するように、習性・形態などを変えていくことを適応といいます。
 私たち人間には、このような適応能力が備わっているので、適正なトレーニングを行うことで様々な機能や能力が改善されるのです。
 
②プラスばかりの適応だけが生じるわけではない

 ルーの法則は環境に応じて私たちも適応して変化していくことを示しているのですが、ときとしてマイナスの適応をする場合もあります。以下の4つのパターンについて、それぞれどのような適応を示すか考えてみましょう。
 1.身体の機能を働かせる機会が少ない
 2.ある程度の頻度・強さで身体の機能を働かせている
 3.活発な頻度・強さで身体の機能を働かせている
 4.頻度が多すぎたり、無理な強さで身体の機能を働かせている
 
 上記4つのパターンを考えてみると、1と4はマイナスの適応、2は現状維持、3はプラスの適応を示すと考えられます。
 
 様々な場面で私たちの身体機能を高めようとするときにはこのような法則を頭の片隅に置いておくとよいでしょう。