ドーピング違反が起こるのは、特殊な薬物を摂取したときだけだと思いますか?
①ドーピング違反とは
ドーピングとは、競技力の向上に寄与すると考えられる、使用を禁止された薬物などを使用することを言います。
世界アンチ・ドーピング規程によると、「競技者の生体からの検体に、禁止物質、あるいはまたその代謝物またはマーカーが存在すること、禁止物質・禁止方法を使用すること、またはそれを保有したり使用を企てること、検体の採取を拒否する」などと定義されています。
また、ドーピング違反は、知らずに摂取したなど、故意ではない場合でも違反となります。
②サプリメントと禁止薬物
意図してドーピングをすることはもちろんダメですが、アスリートは故意ではないドーピング、いわゆる「うっかりドーピング」に気を付ける必要があります。
例えば、一般的な医薬品の中にもアンチ・ドーピング規程で禁止されている成分が含まれている物もあるので、服用時には注意が必要になります。ただ、医薬品は成分表にすべての原材料などを表示する義務があるため、その部分をチェックすればある程度避けることが可能です。
一方で、サプリメントは「食品」に分類されています。食品については法律上すべての原材料を表示する義務がないため、表示にない物質が含まれる可能性があります。もし、その物質に禁止成分が含まれていた場合でも違反となります。実際に、サプリメントとして服用していたものの中に含まれていた成分によって、失格となった選手も多数います。
③スポーツファーマシスト
現在では、アスリートやスポーツ愛好家に対して、医薬品の適正使用やアンチ・ドーピングに関する情報提供、アンチドーピング活動の周知・啓発活動などを公認スポーツファーマシストが行っています。
この資格は、薬剤師の資格をもつ人が所定の課程を収めることで取得できる資格で、2010年から始まっており、2021年4月1日時点で11,489名が認定されています。